「持続可能な開発のための高等教育に関する名古屋宣言」が2014年11月9日に開催された「持続可能な開発のための高等教育に関する国際会議:2014年以降の高等教育のあり方」の参加者により採択されました。この宣言は高等教育の持続可能な開発の追及において果たすべき責任を再確認し、持続可能な開発のための教育を通して更に持続可能な開発の前進を支持することを約束しています。
持続可能な開発のための高等教育に関する名古屋宣言
(日本語仮訳)
2.1
持続可能な開発に向けた教育の再方向付けを促進することにより、誰もが教育の恩恵を享受し、持続可能な未来や然るべき社会変化に求められる価値観、考え方及び生活様式を学ぶことができる世界を創出するため、国連ESDの10年の目標を前進させること。
2.2
これまでの経験と教訓を踏まえつつ、この10年間、とりわけリオ+20以降に発足し成果を収めたイニシアティブを継続することにより、国連ESDの10年の成果を認識し及びそれらを拡大すること、持続可能な開発目標(SDGs)の精神において、経済、社会、文化、環境及び教育に関する枠組みの再編を支える新しい目標を設定すること、必要な戦略的パートナーシップを確立しポスト2015年の枠組みづくりに寄与すること、能力開発、透明性及び継続的な活動促進を確保するため、評価・報告プロセスを支援すること。
2.3
教育や訓練、研究や普及活動を通して、複雑な、分野横断的で国境を越える課題に対する解決策を見出すため、また、地球の環境上の制約を尊重する態度や変革を導く総体的価値や原則についての理解や実践を促進するため、学生やあらゆる学習者を、未来志向の革新に必要な適性と能力を備えた、批評力と創造力のある思考者及び専門家に育成する、高等教育機関の重要な役割と責任を認識すること。
2.4
教育や学びの全ての段階・分野において、持続可能な開発に向けた前進を加速し、ステークホルダーを動かす重要なメカニズムとして、ESDに関するグローバル・アクション・プログラム(GAP)の実施を支持し、特に5つのGAPの優先行動分野である、政策的支援、教育・トレーニングの場の変革、教育者・トレーナーの能力開発、若年層のエンパワーメントと活動の促進、地域レベルの持続可能な解決方策実施促進について、持続可能な開発に向けた前進を加速させるため、とりわけ、ソーシャルネットワーキングを含む情報・コミュニケーション技術を活用すること。
2.5
高等教育におけるビジョンとリーダーシップの変革、知識開発、学習戦略及び多様な知識システムに関連する研究における変革を確保し、公共と民間セクターに係るステークホルダーと連携し、自ら先進事例となりながら、学びと知識開発における革新的な実践を拡大・主流化し、機関包括的アプローチを通じてコミュニティーの参画を促進し、キャンパス運営をグリーン化し、必要な変革プロセスを支えるに相応しい環境を創出すること。
2.6
科学や学びを促進する高等教育のイニシアティブへの様々な支援モデルのみならず、持続可能性に関する具体的な課題が明らかであり、様々なアプローチや解決策が講じられるような、ローカルからグローバルレベルまで状況に適した活動を行うこと。